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こたろう博物学研究所
探訪記録:20000320

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大月山・高縄山(北条市)登山【平成12年(2000)3月20日】


 今日は祝祭日、しかも世間様は三連休だと言うのに出勤。
 14:00に仕事が一段落したので帰宅することにした。どうも中途半端な時間である。家でゆっくりしようかと思ったが、どうも身体がむずむずする。どうも山が「おいで、おいで」と呼んでいるような気がして止まない。まさに「山中毒症状」に陥っているようだ。

 山越に行って買い物をした後、御幸、祝谷、伊台を経て国道317号線に至る。時計の針は15:00を回っている。余り遠方かつ高度の高い山に出向くような時刻ではない。さてどこへ行こうか。「そう言えば、高縄山のやや南側に大月山って言う山があったなぁ」と地図を眺めていたときの記憶を頼りに、目的地を定める。
 松山市東川町の三叉路にて、県道178号線へと左折すると、忽ち北条市九川の集落へと入る。人家が途切れて間もなくのところの道路沿い右側の湧き水の所で車を停め、喉の渇きを潤すとともに、山頂でコーヒーをいれるための水をペットボトルに汲む。水質は良好だ。
 日暮れまで余り時間も無いので、さっさと車い乗り込み、山道をやや早めのスピードで進んでいく。

 15:50、北条市側からの車道との合流点「石ヶ峠」に到着。三叉路のやや上方の路側に駐車し、スパッツを装着するとすぐさま登山へと移る。三叉路のところには、「四国のみち」の道標が建っており、南方へ向かって「幸次ヶ峠4.6km」との行き先表示がなされている。そしてその矢印の示す方向へと、手頃な散策路が続いている。
 非常に歩きやすい道で、ハイキングには最適だ。5分も経たぬうちに西から北にかけての風景が広がってきた。西の彼方には北条鹿島が薄青い海の中にぽっかりと浮かんでいるのが見える。北方向には高縄山の全容も確認できる。眺めを楽しんだ後、しばらく歩いていくと道は下りへと変わり、昔の峠跡と思われる場所へと辿り着く。ここにも道標が建てられており、「石ヶ峠0.3km、幸次ヶ峠4.3km」と記されている。ここまで丁度300m歩いてきたことになる。この塔下には塞の神(さいのかみ)と思われる石像(地蔵か?)が祀られており、また、文字が風化して判別しにくい状態になっているが、「右高縄山、.....、左五明....」と刻まれた標柱が建っている。この場所は、きっと古くより松山市東部と北条市を繋ぐ往還道の中継点として、多くの人が行き交った場所に違いない。

 余りゆっくりともしていられないので、さっさと歩くのを再開する。杉の植林帯の中を進むと、右手のピーク上にオレンジ色と白の鉄塔が聳え立っている。これが松山平野から確認できる鉄塔に違いない。そこへの登り口には「四国のみち」という一本立ちの標柱が建っている。そして間もなく、木製の廃れた「→展望台」という立て札を見つける。矢印の方向を見ると、尾根部分は立ち木が全くないことを示すかの如く、まばゆいばかりの光に包まれている。「ここは景観がすこぶる良いに違いない」と早速寄り道することにする。思った通りである。そこには鉄パイプで組まれた櫓と呼ぶに相応しい展望台と、休憩のためのあずまやが設置してある。展望台の上からは、南方を除く全方向が開けていて、とても景色が良い。東方向には福見山明神ヶ森、そしてその背後に雪を被った石鎚の山々まで見渡せる。ここはまさしく穴場と呼ぶべき場所。高縄山へ度々訪れたことのある人も、ここへ立ち寄ったことは殆ど無かろう。3分ほど景色を楽しんだら、登山再開。2〜3分も歩くと、地蔵が二体、道の脇に座り込んでいるのに出くわす。そしてまたもや「四国のみち」の道標に出会う。もう、この辺で大月山へと続く山道に出くわすはずだ。ところが、それらしき目印や案内板らしきものは全く見当たらない。一応、目の前にあった小ピークに登ってみるものの、大月山を匂わす材料は何一つころがっていない。仕方がないので、ピークの南斜面を下り、再び山道に合流する。すると何とはなしに東方向へと進む踏み跡が目に入った。ここに違いない。目印となるようなものは何もない。伐採跡のV字形の切り株が一本立っているのが唯一の目印である。是非ともこの場所に「大月山」への登山路を示す標識を立てたいものである。
 
 判断は間違えていなかった。すぐに、「→大月山」と記された標識が横たわっている小ピークに着く。道に間違いないことさえわかれば、俄然パワーが出てくる。小ピークを2〜3超えると、単調な杉林の中にも若干のササが姿を現してくる。そして、周りの木々が伐採されぽっかりと明るくなっている空間が目に飛び込んでくる。
 そう、ここが大月山山頂。標高953.1mの地点である。時刻は16:20。駐車した場所から30分足らずで辿り着ける手頃な山である。但し、肝心要の風景は全く楽しめないのが残念である。

 山頂での一時も束の間、16:25に下山に移る。下りは非常に楽である。石ヶ峠まで約25分で到着した。往復で小一時間、平坦で歩きやすく、ハイキングには持ってこいのコースであった。



【同行者】なし
【コースタイム】
[往路]石ヶ峠(15:50)→展望台(16:05)→大月山山頂(16:20)
[復路]大月山山頂(16:25)→小ピーク(16:29)→「四国のみち」標柱(16:32)→地蔵2体(16:33)→展望台(16:34)→旧道峠(16:45)→石ヶ峠(16:50)


太陽も落ちてないので、折角だから高縄山にも足を延ばしてみた。
観察したオブジェは以下の通り。
  1. 石ヶ峠〜駐車場
    1. 河野川源流碑(平成8年8月建立)
    2. 河野水天宮
    3. 「四国のみち」道標
  2. 高縄寺
    1. 句碑(作者不明)
    2. 子持杉
    3. 義天和尚の墓
    4. 仁王門
    5. 孫八が残した手水鉢
    6. 千手杉
    7. 七本杉
  3. 高縄山(標高986m、東経132度51分、北緯33度56分)
    1. 高縄大権現

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