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こたろう博物学研究所
探訪記録:20000416 |
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福見山・明神ヶ森(松山市/重信町)登山【平成12年(2000)4月16日】今日も本当は身体を休めようと思っていたのだが、天気も崩れそうにないし、花でも見にいこうかと11:00前に急に山行を思い付く。手軽なところで、未だ登ったことがないところ....ということで、一路「福見山」を目指す。 国道317号線を進む。石手ダム白鷺湖の辺を通り抜けると桜のトンネルが待ち構えている。松山平野の桜は散ったというのに、この辺りは未だ満開状態である。山行を思い付いて良かったと感じる一瞬である。
登山準備を整え、12:13登山開始。新宮神社の裾を巻くように続く林道を歩く。やがて三本杉の雄姿が目に飛び込んでくる。ここの杉はとにかく大きい。以前来たときよりも、林道からの眺めは開けているような気がする。 次の林道分岐を沢に沿って真っ直ぐ進む。左に巻いて曲がる道とほぼ同じ幅員であり、標識も無いので一瞬迷ってしまうが、沢に沿って進むほうが良いだろうとファーストインスピレーションを信じることにする。
石標には「右福見山道登十八丁 明治二十八年六月末日 福見川中」と刻まれている。18丁という距離はピンとこないのがちょっと難点であるが、約2kmといったところか。ここから続く登山道は車1台はなんとか通れそうな幅員であるが、それにしても急な勾配である。こんな急坂はコンクリートよりはむしろ土の方が歩く者にとっては有り難いのだが、整備してくれているのに文句を言うような筋はない。
30分ほどで尾根に辿り着く。ここから西へは五明越しに海を眺めることができる。だいぶん、高いところまで登ったなぁと感じさせる。一息ついた後、尾根筋に沿って登山道を歩く。 だんだんと、薄暗い森へと変わっていく。何となく物悲しい道だなぁと思いながら進むと鬱蒼とした竹林へと樹相が変わる。福見寺に近付いたことを思わすように。
13:55、福見山と記された標識が建っている場所に辿りつき、ここで昼食を摂ることにする。「これだけ有名な山だから、三角点に記念板でも建ってるはずなのになぁ」と疑問を感じながらも、まずは空腹を満たす。 35分ほどのランチタイムを終え、さて今からどうしようかと考える。ちょっと時間的には遅いが、明神ヶ森でも目指そうか...、それとも引き返そうか....と。日暮れまではまだ4時間以上ある。それならば折角来たのに勿体無いと、一路明神ヶ森を目指す。歩き始めて5分ほどしたところに、「福見山1053m」との三角点標示があった。明神ヶ森を目指さなければ、福見山山頂も制覇することなく帰ってしまうところであった。その意味では、欲を出して正解であった。
福見山からいくつかのピークを乗り越えて約40分ほど歩くと、目の前にミズナラの美しい林が広がってきた。茶色い落ち葉がなだらかで幅広いコルを埋め尽くしている。幽玄と呼ぶに相応しい静粛な空間がそこに有る。
コーヒーを沸かして15分ほど休息を取った後下山に移る。下りは非常に楽だ。林道合流点まで20分強で到着。ここからはトラバースで林道を歩くことにする。林道だからさぞかし快適に歩けると思っていたが、とんでもない。あちこちで道路は朽ちているし、おまけに路面には草や雑木が生い茂り、薮こぎに近い状態である。それでも、途中から南方向に遠景が広がっており、充実した気分にはなる。20分ほど歩けば重信側から福見寺へと到る林道に合流する。ここからは砂利道だが、車も余裕で通行できるような林道である。10分ほどで水場に到着。水量は思ったほどではない。水質は決してすこぶる綺麗とまでは言わないが、飲むには申し分ない。喉を潤して歩き始めるとすぐに福見寺が見えてくる。 トイレで用を足した後、山門からゆっくり下って行く。時計の針は16:30を回っている。この分だと日暮れまでに寿分下山できるなぁなどと考えながら歩いていると、登ってきた50歳過ぎの男性と行き交う。
別れの一礼をして、下山を進める。16:55、林道上部尾根に到着。そしてコンクリート道を降りていく。途中、ユニック車が道の下に転げ落ちているのが目に入る。状況から見て昨日や今日の話ではなさそうだが、ひょっとして車中に白骨でもありゃしないかと、恐る恐る山肌を下っていき、固唾を飲み込んで運転席の中を覗き込んでみる。しかし、全く心配することはなかった。白骨はおろか血痕らしきものも無い。ほっとすると同時に、ロスタイムになったことを残念に思う。まあ、急ぎではないので時間に拘る必要は無いが。 17:15に登山口に到着。小川の水にタオルを浸して絞り、吹き出た汗を拭うとひんやりとして心地良い。疲れが一瞬で吹っ飛ぶような気分だ。一息ついてから林道を下っていく。17:30、新宮神社に到着。三本杉を間近から観察してから駐車場へと向かう。 半日足らずであったが、十分楽しめた登山であった。特に明神ヶ森のミズナラ林は、噂通りで印象深いものだった。もうすこし若葉が萌え出てからか、あるいは秋口にはもう一度登ってみようと思っている。
【同行者】なし 【コースタイム】 [往路]県道→(12分)→登山口→(30分)→尾根→(20分)→福見寺→(20分)→福見山→(45分)→明神ヶ森 [復路]明神ヶ森→(25分)→林道合流→(20分)→重信・福見寺林道合流→(10分)→福見寺→(20分)→尾根→(20分)→登山口→(8分)→新宮神社→(3分)→県道 |
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