[KOMIL:KOtaro's Miscellaneous 
Information Laboratory]
Copyright (C) Kotaro Iseki (1996〜2022).
All rights reserved
こたろう博物学研究所
探訪記録:20000527

トップページに戻る

インデックスに戻る

松山〜徳島県脇町往還【平成12年(2000)5月27日】


 この土日には「新宮村の橡尾山・カガマシ山でシャクナゲ・ブナ林を堪能した後、笹ヶ峰の土佐北街道を歩こう」、そしてその晩に別子山村で一泊して、翌日は「大座礼山・東光森山か東赤石山、二ツ岳あたりを攻めよう」などという計画を数日前から練っていたのに生憎の雨模様。ケーブルテレビのお天気チャネルを食い入るように見つめ続けても一向に降水確率は下がりはしない。
 翌日の朝、外を見渡すとやっぱり雲行きが怪しい。

 実は、「天気がぐずつくようならば一緒に脇町までドライブに行かないか」と長岡さんに誘われていた。徳島県も徳島本線が通る筋にはまだ一度も出向いたことがなかったので、折角のお誘いに乗るのも悪くはない。ということで、山への未練を残しながらも、ちゃっかりと徳島県脇町往還ツアーに乗ることとした。車も出してくれるとのことで、非常に有り難いツアーである。いつもは、まず高速道路を通ることはない。東予の方を探訪するときも、必ず国道11号線を通る貧乏ツーリストである。そして、もっと有り難いことは、車を走らせながら気がついたことを即座にメモることができるということだ。流れる景色の中で記録しておきたいことを反復連唱しながら覚えなくてもいい。

 ということで、新山さんを加えた3人で脇町へと向かう。
今回は、助手席に座り込み、道すがらせっせと記録した内容を以下に記そう。今回のポイントは「高速道路のトンネル」。普段出来ないこと、そう、脇町に到着するまでに通過するトンネルの名称と長さを記録しておくことに目標を置く。いつもは何の気無しに通り過ぎ、その存在に神経を払おうとは思わないものなのだが、折角の助手席座り。これを 記録しておかない手は無い。これは、まだ建設工事従事者以外、誰も為し得なかった日本初の快挙に違いない!そう心に決めるのであった。
 
松前町を出発 8:30過ぎ
松山ICより高速道路(松山自動車道)に入る 8:55
則之内(すのうち)トンネル
↓370m↑(単線)
新桜三里(しんさくらさんり)
★丹原〜川内間の旧金刀比羅街道には源太桜をはじめ、 
桜が立ち並んでいた。国道11号線が開通した後も路傍に 
は多くの桜の木が植わり、ドライバーの目をなごませた。 
果して、高速道路沿いにも桜は植えられたのだろうか? 
それでなければ、桜三里の名が廃ってしまう。 
いや、それ以前に距離が大幅短縮されたのだから、桜1.8里 
などと正式な距離で呼ばねばならないのではなかろうか。
 
桜三里(さくらさんり)PA
★ここを通り過ぎてまもなく、「動物注意」の道路標識が 
立っているのが見えた。黄色い看板にタヌキのイラストが 
描かれている。喜左衛門狸をはじめ、東予地方にも狸伝 
説が多く残っているため、狸にご登場戴いたのだろうか? 
それとも単に轢き殺した事例が多かったのだろうか?
 
川内(かわうち)トンネル ↓1400m↑(単線)
相の谷(あいのたに)トンネル ↓330m↑(単線)
丹原町に入る。 9:12
千羽ヶ岳トンネル ↓740m↑(単線)
臼坂(うすざか)トンネル ↓650m↑(単線)
鞍瀬(くらせ)トンネル ↓780m↑(単線)
小松町に入る。 9:15
大頭(おおとう)トンネル ↓800m↑770m(複線)
妙口(みょうぐち)トンネル ↓630m↑650m(複線)
石鎚山SA
西条市に入る。
西泉トンネル ↓380m↑(単線)
西田(にしだ)トンネル ↓300m↑(単線)
湯之谷トンネル ↓690m↑(単線)
円山(まるやま)トンネル ↓570m↑(単線)
中野トンネル
★トンネルを抜けると右手に市倉ファームが見えて来る。
↓360m↑(単線)
横山トンネル ↓480m↑(単線)
八堂山トンネル ↓990m↑(単線)
飯岡トンネル ↓1320m↑(単線)
早川トンネル ↓300m↑(単線)
新居浜市に入る。 9:30
川口トンネル ↓330m↑(単線)
山根トンネル ↓1350m↑1390m(複線)
生子山(しょうじやま)トンネル ↓560m↑540m(複線)
船木トンネル ↓250m↑250m(複線)
土居町に入る。 9:35
入野PA
★トイレ休憩のため立ち寄る。パンフレット類は無いもの
かと物色するが、残念ながら一つも置いていない。
★外に出ると、法皇山脈より強烈な風が吹き降ろしていた。
これが噂の「やまじ風」か?丁度このPAの上辺りが「おといこ
さん」(豊受山)にあたるのだろうか。(いや、赤星山だ。)
★この強風のため、土居町周辺の高速道は、時速50kmの
通行規制がなされている。1620kHzのラジオ放送がその旨を
繰り返している。
的の尾トンネル ↓???↑280m(複線)
伊予三島市に入る。 9:52
川之江市に入る。 9:59
上分(かみぶん)PA
川之江JCT
★標高100mと記された標柱を発見。
★直感的に「右に分かれれば高知、左にに別れれば徳島」と
思ってしまうのだが、ここの分岐路はその逆になっているので、
どうも感が狂ってしまう。
下川トンネル ↓880m↑(単線)
新境目(しんさかいめ)トンネル
★トンネル内が丁度県境にあたる。
壁面に「←愛媛県|徳島県→」と大きな文字で記されている。
★池田町に入ると、「動物注意」の標識が目に留まる。
こちらは愛媛県とは異なり、イノシシが描かれている。
↓2790m↑(単線)
池田PA
白地(はくち)トンネル
★トンネルを抜けると池田の街並みが見えてくる。
↓2890m↑(単線)
池田へそっ湖大橋
★「へそっ湖」は、池田町が「四国のへそ」即ち四国の中央部
に位置することをアピールするのを意図したネーミングであろ
う。正式名称は「池田湖」のようだ。
新山(しんやま)トンネル ↓890m↑(単線)
池田トンネル ↓1280m↑(単線)
井川町に入る。 10:17
三好町に入る。 10:20
吉野川ハイウウェイオアシス
★吉野川に架かる長さ850mの橋を渡ったところが三好町。
★四国高速道のパーキングエリア、サービスエリアは山の上
に造られるのが通例であるように思えたのだが、ここは川の
辺に設けられており、何となく違和感を感じてしまう。
★方向指示器を左に出して、ハイウェイオアシスへと向かうと、
何故か「伊予鉄会館」の看板を上げたお店が。ここは阿波の
国なのに...と、ちょっと場違いな気がする。
★「ようこそ美濃田の淵vへ」「四国のハート三好町」と書かれた
ゲートをくぐり下っていくと、立派な建物が、でんと構えている。
「吉野川ふれあい館」である。観光情報センター前の床面には
吉野川流域の航空写真が張り付けられていて、登山にハマっ
ている僕はしばしそれに見とれてしまう。
太刀野(たちの)トンネル ↓2400m↑(単線)
三野町に入る。 11:05
美馬町に入る。 11:08
脇町に入る。 11:14

★脇町周辺の観光

阿波の土柱を眺める[徳島県阿波郡阿波町]
・国指定天然記念物(昭和9年5月1日指定)
・県立自然公園(昭和36年5月16日指定)
・自然休養林(昭和47年農林省指定)
★一周30分足らずの遊歩道を歩く。正直、もっと壮大な風景を思い浮かべていたのだが、雨風による侵蝕が著しいのか、迫力に欠けている印象を受けた。しかしながら、奇観という意味では未だ必見の価値があるように思う。
しょうゆうどんを食す
★コシのある饂飩に、大根おろしを載せ、醤油とゆずの絞り汁だけで味付けするシンプルな饂飩であるが、これが絶妙の味わいである。シンプル・イズ・ベストの王道を行くといった感じである。
卯建(うだつ)の街並みを歩く
・重要伝統的建造物群保存地区(昭和63年12月16日指定)
★まずは「オデオン座」を眺める。
★大谷川の辺には柳の古木が並んでいる。
★南橋を渡り、まずは脇町立図書館(うだつ館)に立ち寄る。白い土壁に挟まれた小路を歩いていくと、町指定文化財に指定されている太鼓台や、卯建の基本構造を示した展示がなされている。博物学的興味が沸沸と沸いてくるのであるが、今日のところは観光(ぶらり街歩き)に徹することにする。
★南町通りを歩く。話に聞いた通り、古くよりの民家が建ち並び、どこもここも卯建があがっている。卯建は、火事が起こったときの延焼防止を図る防火壁と聞いていたが、もともとは板屋根の端の保護を目的としたものであった。これが防火対策として奨励され、しかも「藍商」と称される旧商家の本街道として栄えた土地のせいか、この付近には本当に卯建が多い。昔さながらの風景が見事に保存されている。
★卯建のほか、虫籠窓(むしこまど)、格子造り、蔀戸(しとみど)など旧家ならではの建築の様子が観察できる。
★郷土資料館に立ち寄る。無料なのが有り難い。展示室は小振りであり、展示物も写真パネルが主体であるが、古(いにしえ)の町の様子を垣間見ることができる。
吉野川沿いを歩く
★雨のそぼ降る中、傘をさして土手沿いを歩く。吉野川は川幅が広く、水量も豊富であり、雄大さを感じさせる。
★眼下には沈下橋が架かっており、その上を車が走っているのが見える。因みにこの辺りでは沈下橋とは言わず、潜水橋と呼んでいるようである。
旧長岡家住宅を見る
★吉野川北岸の台地上にある旧家。二間作りで、全く窓がなく薄暗い住宅の中、懐かしい民具なども展示されている。ここも見学料は無料。
★北側には最明寺、東側には八幡神社がある。
あんみつ館でシンビジウムを観る
★「あんみつ姫」というので、てっきりアニメ関連の展示館と思っていたら、洋蘭(シンビジウム)の展示・販売施設であった。胡蝶蘭をはじめとする蘭の仲間達が色鮮やかな花を溢れるように付けている。しかしお値段は数万円〜数十万円ときているから、貧乏な僕には手に届く代物ではない。
★ここも入館料は無料。その美しさをしっかりと堪能するだけでお土産も買わなかった僕は、性質(たち)の悪い観光客だろうか..。

トップページに戻る

インデックスに戻る


ご意見・ご感想は

kotaro@kotaro-iseki.net

まで