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こたろう博物学研究所
探訪記録:20010503 |
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堂ヶ森(丹原町/面河村)登山【平成13年(2001)5月3日】川内ICから高速道に入って土居町の豊受山にでも行こうと思ったのだが、IC手前で何となく嫌な予感が走る。「やっぱ近場を目指そうか....」と思った矢先、高速道の上の数台のパトカー、救急車、おまけに消防車が東へと走り抜けているのが見える。「事故でもあったんかいのぅ....。まぁわしゃ高速道使わんと、堂ヶ森にでも行くけん、どうでもええわい」と何気なく国道11号線を走っていると、やがてラジオのスピーカーから「小松−川内間で交通事故発生のため上下とも通行不可」とのアナウンスが。嫌な予感は的中。高速道路に乗っていたら、今ごろは登山どころではない。 しかし、保井野の登山口に到着したときには生憎の雨が落ちていた。ここまで来て断念するのもシャクなので、雨合羽着用の上、登山敢行することにする。合羽を着ている途中で、別の登山者が登山口に辿り着き、腰を下ろして朝食を摂り始めた。話を聞くと、今日は堂ヶ森東側の白石小屋で一泊する予定とのこと。昨年の記憶をもとに、荒廃して泊まれるような状態でないことを告げると、テントを張ることにするとのこと。 「それじゃお先に」と一言告げて、よく踏み均された登山道を沢沿いに歩き始める。やがて植林帯へと入り、相名峠への分岐を左に分かれる。久々の長距離登山なので、早くも脹脛が痛くなってくる。何ともひ弱な足腰である。 植林帯を越えてからはうんざりする程のジグザグ道が続く。道端に咲く名も知らぬ草花の写真を収めながらゆっくり歩いていく。息があがりそうになったとき、平坦な尾根道に辿り着いた。から池である。水が溜まっているわけでもないが、池と呼ぶのも嘘じゃないような窪みが存在する。周辺は美林である。周囲は霧に包まれ、何とも幻想的な空間を形成している。ここで煙草を一本取り出して一息つくことにする。 再び歩き始める。尾根道だからしんどい思いもせずに済むだろうと高を括っていたが、シャクナゲ歩道に入ってからは急登の道の連続である。今回の登山の本目的であるシャクナゲは生憎硬い蕾をつけている状態である。花季は5月中旬以降といったところだ。うーむ、実に残念である。 しかし救いはアケボノツツジの花。期待してなかったのだが、登山道の所々でたおやかで淡いピンク色の花弁をつけたアケボノツツジが見られる。霧に包まれているせいか、このピンク色が非常によく映えている。これを見れただけでも来た甲斐があったというものだ。 水場を通り越えてもう一頑張りすると、見覚えのある笹原に出た。面河村梅ヶ市からの登山路との合流点、俗に言う保井野分岐である。ここも深い霧に包まれ、全く景観は望めない。視界10m程度の中、笹原の中に続く道を重い足取りで進んでいく。道端のあちこちに咲いているショウジョウバカマが眺めながら、20分ほど歩くと、山頂南側の笹尾根に到着。先着者が1名の姿が霧の中に浮かび上がる。 「すいません、山頂はここですかね」
すぐに山頂に到着。北から猛烈な風が吹き上がってくる。5月だというのに、体感温度は冬並みである。先着者は「もう少し晴れ上がると思ったんですけどねぇ、(晴れ上がるのを)待つのもなんなんで降りることにします」とさっさと下山に移ってしまった。
天候の回復も望めず、山頂からの景観も芳しくないことから、敢え無く断念して下山に移る。保井野分岐のところで、登山口で出会った登山者に遭遇。キャンプ泊の重たい荷物を背負いながら、喘ぎながら「あと何分ぐらいですかねぇ」と声を発する。「そうですねぇ、あと20〜30分ぐらいですかねぇ」と回答し、「それではお気をつけて」と一礼して別れる。 下りは快調に足が運ぶ。しかし、来たときに見た景色をリワインド・リプレイしながらゆっくりと下りることにする。季節の花を十分に堪能しながら。それでも約1時間半で保井野の登山口に到着。 まぁ、天気こそ芳しくはなかったけれど、白い霧に淡いピンクを添えたアケボノツツジの姿を拝めただけでも来たかいがあったというものである。激しい雨にも祟られなかったし、まずまず合格点の登山であった。 ■■■■■■■ 松山への帰途、堂ヶ森山頂で出会った人がバス停で佇んでいる姿を発見。車を停め、「送ってあげますけど、乗りません?」と声をかける。遠慮されていたけれど半ば強引に誘うと、「それじゃお願いします」と車に乗り込んで来られた。
【同行者】なし 【コースタイム】 [往路]保井野登山口−(60分)−から池−(70分)−保井野分岐−(20分)−堂ヶ森 [復路]堂ヶ森−(90分)−保井野登山口 |
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