[KOMIL:KOtaro's Miscellaneous 
Information Laboratory]
Copyright (C) Kotaro Iseki (1996〜2022).
All rights reserved
こたろう博物学研究所
探訪記録:20020505

トップページに戻る

インデックスに戻る

御祝山〜三本杭登山【平成14年(2002)5月5日】



 東京方面より平山さん、松林さん、小野川さんの3名が鬼ヶ城山〜三本杭縦走登山に訪れるということで、稲葉さんと一緒に「三本杭で出迎えよう」と目論んだ。

 朝5:30に重信川河口にて稲葉さんと待ち合わせ。松前町のローソンで食料調達後、松前町・伊予市街を通り抜け、伊予ICより高速道路入り。ICの入口に「濃霧のため時速50km制限」との電光掲示がなされており、一瞬ICに入っていくのを躊躇ったが、少しでも時間を稼ぎたいので初志貫徹。思ったよりも霧は浅い。全く高速走行に問題はない。
 あっと言う間に内子・五十崎ICを降り、県道229号線(鳥首五十崎線)で鳥首に出て、国道197号線を南下する。トイレ休憩もすることなく、一気に肱川町・城川町・日吉村を駆け抜け、広見町岩谷トンネルを抜けてから県道280号線(下鍵山松野線)へと折れて松野町へと出る。おさかな館の横を過ぎ、松丸の町並みを抜け、県道8号線(西土佐松野線)へ。そして目黒より県道270号線(滑床松野線)へと折れ、滑床渓谷へ向けて走る。
 なかなかのハイペースで滑床渓谷に到着。実に松山市内から1時間半である。いくら高速道路を使ったとはいえ、こんなに早く到着するとは意外である。

 7:54、万年橋登山口より登山開始。地面も辺りの木々も雨露に濡れている。歩きはじめるや否や、蒸し暑さで汗ばんでくる。
 15分ほど歩くと、登山道の脇になにやら白いキノコのような植物があちらこちらで姿を見せはじめる。銀竜草だ。6月頃が花の季節だと思っていたが、今年は温かくどの花も花季が2〜3週間前倒しになっており、銀竜草も御多聞に漏れず一気に芽を吹きはじめている様子である。

 8:18、林道に出合う。一旦林道に寸断された登山道の脇には、「←御祝山・三本杭/万年橋・森の国ホテル→」の石標が建っている。林道に寸断された登山道は得てして次なる登り口を見出しにくいものだが、これならば道に迷うことはない。

 8:40、大ーの滝(「おおがんのたき」と読む?)分岐に着く。道標にはここから滝まで所要時間約30分と記している。時間に余裕が有れば立ち寄ってみたいところであるが、本日の登山目的からして道草は御法度だ。観瀑は今度の楽しみにとっておいて、先を急ぐことにする。

 8:45、杉林を抜け、辺りが明るくなった場所(標高約700m地点)で一休み。タバコに火をつけ、5分ほど休んで登山再開。

 前日より雨が降っていたこともあって道はぬかるんでいる。急斜面の登山道の至るところでズルズルと滑り足を取られる。「下山には使いたくない道じゃねぇ」とぼやきながら登っていく。

 歩き初めて1時間少々過ぎ、本日最初の石楠花に出合う。花のつきは今ひとつであるが、霧中に薄桃色の花が映え、幻想的な雰囲気を醸し出している。清々しい気分に浸りながら、もう一踏ん張りしようと気合を入れて歩いていくと、ほどなく御祝山山頂に辿り着く。
 9:24、御祝山三角点を踏む。眺望は全く利かない。小休止がてら、まだ時間は早いが景気づけにビールで祝杯をあげる。そうこうしていると、三本杭方面から6名ほどのグループが下山してきた。今治西高校の登山部の面々のようで、どうやら朝5:00頃より歩きはじめた様子。早くも下山とは恐れ入ったものである。

 さて我々も余りゆっくりはしておれないということで、20分ほど休んだ後、登山再開。なだらかな尾根道であり、足もすいすいと前へ進む。
 間もなく石楠花群生地帯へ突入。先発隊のシャクナゲはだいぶ花を落としつつあるが、後発隊の蕾も徐々に花を広げはじめており、ちょうど花季としては絶好のタイミングである。
 艶やかな花を堪能しながら快調に尾根歩きが続く。30〜40分でヒメシャラの美林へと至る。若葉の黄緑と幹の明るい茶色が織り交ざり、何ともいえない色合いの空間を創り出している。気持ち良いことこの上ない。
 登山道から少し脇に逸れたところに、白い石楠花を発見。先を急ぎつつも、どうしても気になる。間近まで寄っていき、カメラに収めないわけにはいかない。こんな真っ白な石楠花は観たことがない。これが観れただけでも価値がある。
 やがてブナ林へと移行する。ブナの林も、先程のヒメシャラ林に負けず劣らず、若葉が萌え上がり、心地よい空間を創出している。「これを快適と言わずして何を快適というのだろうか」と賞賛を贈りたくなるほどである。

 御祝山を跡にして50分ほど歩くと、今迄辺りを包んでいた霧が一気に晴れ、目の前に三本杭の姿が明瞭に浮かびあがってくてきた。こんな天気では眺望など全く期待できないと思っていたのだが、山頂付近で一気に晴れ上がるとは。「これは山の神に歓迎されていると解釈しても良かろうか」と思っていたら忽ち霧の第二波が押し寄せてきて、視界を閉ざしてしまった。「糠喜び」とはこのことである。

 10:37、三本のたるみを見下ろすと、4名の登山者が腰を下ろして休んでいる姿が見える。「稲葉さん、あれ平山さんらじゃなかろうか?じゃけど4人おるけん、別グループかいねぇ....」などと話しながら下りていくと、やはり平山さん御一行様であった。鬼ヶ城山方面から縦走してきた男性1人も一緒に休息をとっていたので4人だったのだ。
 「どうも御無沙汰してます」
稲葉さんと平山さん・小野川さんは面識があるとのことだが、僕は(平山さんとはメールを何度かやりとりさせて戴いたが)初対面。
 「どうもはじめまして」
と挨拶を交わす。

 三本のたるみで10分ほど休息の後、三本杭に向けて最後の一踏ん張り。6、7分で三本杭山頂に至る。
 まずは記念撮影を行った後、三角点の東側に陣取り、昼食を囲みながら歓談。あれこれと山談義に花を咲かせて、結局2時間近く山頂に居座ることとなった。その間、ゴールデンウィークということもあって多くの登山者が入れ替わり立ち替わり山頂を訪れた。その数、通算20名ほど。こんなに多くの登山者を見かける山に訪れるのは本当に久し振りである。

 12:45、下山開始。下りは熊のコル経由で滑床渓谷沿いを歩くことにする。
 15分ほどで熊のコル迄下りる。休む間もなく、北側斜面の登山道へと下りはじめる。途中、登山道から外れたところに3〜4名の登山者がいるのを目にする。何をしているのかと尋ねると「ヤマシャクヤクを見つけた」という。よくもまぁ見つけることができるものだと感心しつつ、下りを続行。

 下山開始後、小一時間のところで小瀑に出会う。ここで5分ほどの小休止を挟み、先へと進む。名も知らぬ黄色や白の小花を堪能しながら、どんどんと下っていく。
 約1時間半で二俣・奥千畳に至る。登山道の傍らを流れる沢は終始「滑(なめ)」を滑り落ちるように流れ、何とも美しい景観を呈している。沢に向かって幾つかの小瀑が水を落としており、心地よい音を響かせている。道の脇には至るところでギンリョウソウが姿を見せている。長い歩きであるが、退屈はしない。

 森林軌道の橋台、鼓岩などを眺めつつ、沢沿いの道をただひたすら歩く。15:16、日本の滝百選にも選ばれている雪輪の滝に至る。
 雪輪の滝で20分ほどの休息後下山再開。百岩、出合滑、満月岩、河鹿の滝、鳥居岩、三筋の滝などを眺めながら渓谷沿いの遊歩道をゆっくりと下り、16:00、万年橋に到着。



※その後、宇和島市内へ。本町追手の丸水にて食事。(平山さん、松林さん、小野川さん、どうも有り難うございました、)
※三間経由歯長峠越しで野村の実家へと帰省。途中、利助石を観察。
※翌日は終日田植えに勤しむ。


【同行者】稲葉さん  (平山さん、松林さん、小野川さん)
【コースタイム】 ※休息時間は除く
万年橋登山口より登山開始→(25分)→林道出合→(20分)→大ーの滝分岐→(35分)→御祝山
御祝山→(50分)→三本のたるみ→(7分)→三本杭
三本杭→(20分)→熊のコル→(75分)→奥千畳→(40分)→雪輪の滝→(25分)→万年橋
 

トップページに戻る

インデックスに戻る


ご意見・ご感想は

kotaro@kotaro-iseki.net

まで